最近、「GPC(グリセロホスホコリン)」という成分を含んだサプリが、子どもの身長を伸ばすと宣伝されることが増えています。
「母乳にも入っているから安心」「成長ホルモンを出しやすくする」「医師が推奨している」などのフレーズが目立ちます。
でも、それって本当に信じていいのでしょうか?
この記事では、GPCサプリの効果と安全性について、科学的な視点からわかりやすく解説します。さらに、後半では「実際に平均身長が大きく伸びた国・韓国」の実例を紹介し、身長を伸ばすために本当に大切なことを一緒に考えていきます。
GPCとはどんな成分?身長との関係はあるの?
GPC(グリセロホスホコリン)は、体内で「コリン」という栄養素に変わる物質です。コリンは脳の働きをサポートするアセチルコリンという神経伝達物質の材料になります。
母乳にもGPCが含まれていることから、「体にやさしい」「成長に良い」といったイメージがあります。しかし、サプリに含まれるGPCの量は母乳中の量と比べるとかなり多く、まったく別物と考えるべきです。
つまり、「母乳に入っているから安全=たくさん飲んでも安心」とは言えないのです。
GPCを飲むと本当に身長が伸びる?
いくつかの研究では、大人の男性がGPCを一度だけ飲んだあと、成長ホルモン(GH)が一時的に増加したという結果が出ています。
ですが、その効果は短時間のもので、しかも対象は子どもではなく大人です。さらに、身長を伸ばすには成長ホルモンが継続的に働く必要があります。
また、成長ホルモンだけでなく、栄養、睡眠、運動などの生活習慣も大きく影響します。つまり、GPCを飲んだからといって、すぐに身長が伸びるというのは、科学的には裏付けのない期待と言えるでしょう。
ネットの口コミや広告の言葉は本当?
「数センチ伸びた!」「効果を実感!」といった口コミはたくさんありますが、それらはあくまで個人の感想です。たまたま成長期だった可能性や、期待による思い込みであることもあります。
「医師推奨」「売上No.1」「臨床試験済み」などの表現も広告ではよく見かけますが、実際にその製品が科学的に証明されているわけではありません。
情報はしっかりと見極める必要があります。信頼できるデータや専門家の意見をもとに判断することが大切です。
子どもがGPCサプリを飲んでも本当に安全?
GPCは、大人が短期間飲む場合には比較的安全とされることが多いですが、子どもが長期間にわたって摂取したときの安全性については、十分なデータがありません。
最近の研究では、GPCの代謝物である「TMAO(トリメチルアミン-N-オキシド)」が、心血管リスクの上昇と関連している可能性があると指摘されています。
特に成長期の子どもは体が敏感なため、サプリメントを使う前に必ず医師や専門家に相談しましょう。
「母乳に含まれている=安心」というイメージに頼らず、根拠のある情報に基づいて判断することが必要です。
韓国の実例に学ぶ!本当に身長を伸ばすには?
サプリメントよりも、実はずっと大切なことがあります。それが「生活習慣」です。
韓国ではこの数十年で国民全体の平均身長が大きく伸びました。たとえば、現在の20代の韓国人男性の平均身長は約174〜175cm、女性は約161〜162cmと、日本よりも高い水準です。
これは、栄養の改善や医療の発達など、環境の整備によるものと考えられています。

こうした生活の変化が、身長の伸びに大きく貢献したのです。
今日からできる!身長を伸ばす3つの生活習慣
以下の習慣を毎日コツコツ続けることが、最も安全で確実な身長対策です。
1. バランスの良い食事
たんぱく質、カルシウム、ビタミンD、亜鉛など、成長に必要な栄養素をしっかりとることが大切です。
2. 質の良い睡眠
成長ホルモンは夜の深い眠りの間に多く分泌されます。夜10時までには寝る習慣を心がけましょう。
3. 適度な運動
ジャンプやランニングなど、骨に刺激を与える運動が効果的です。毎日30分でも体を動かす習慣をつけましょう。
最後に:焦らず、自分の成長を信じよう
「サプリで身長が伸びるかも」と思ってしまう気持ちはよく分かります。でも、科学的な証拠は今のところ不十分です。特に成長期の子どもには、安全性の確認されていないサプリの使用は避けるべきです。
身長の伸びには個人差があります。今すぐ結果が出なくても、あきらめる必要はありません。大切なのは、日々の生活の中でできることをきちんと続けていくことです。
もし不安なことがあれば、自己判断せずに、医師や専門家に相談してください。
未来の自分を信じて、健康的な毎日を積み重ねていきましょう!
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