シナモンは、甘くてスパイシーな香りが特徴のスパイスで、アップルパイやホットドリンクなどに使われています。ですが、シナモンの魅力は香りだけではありません。実は、シナモンには健康に良いとされるたくさんの働きがあるのです。
この記事では、そんなシナモンの効果についてわかりやすく紹介していきます。
その①血糖値を安定させるサポート
シナモンは、食後の血糖値の急上昇を抑える働きがあるとされています。体内で糖をエネルギーに変えるインスリンというホルモンの働きを助けることで、血糖のコントロールをサポートするのです。
さらに、胃の中の食べ物の移動を遅らせることで、糖の吸収をゆっくりにし、血糖値の急激な上昇を防ぐ可能性もあります。
ただし、この効果についてはすべての研究で一致した結果が出ているわけではありません。治療に使う薬の代わりにするのは適切ではなく、あくまで補助的な利用が勧められます。
その②抗酸化作用で体のサビを防ぐ
私たちの体は、日常生活の中で「酸化」という現象にさらされています。これは体の細胞を傷つけ、老化や病気の原因になることもあります。
シナモンには、「プロアントシアニジン」や「フラボノイド」といった抗酸化成分が含まれていて、体の中で発生する有害な物質(活性酸素)を取り除く手助けをします。
また、これらの成分は炎症を抑える働きもあるため、疲れの予防や体調維持にも役立つと考えられています。
その③血流を良くして冷え性・肩こり対策に
シナモンは、血液の流れを良くする効果もあるとされています。血行が良くなることで、手足の冷えや肩こりの改善につながる可能性があります。
血液がしっかり流れると、体のすみずみまで酸素や栄養が届きやすくなり、肌のトーンアップや疲れにくさの改善にもつながるかもしれません。昔から「体を温めるスパイス」として親しまれてきた理由もここにあります。
その④脳の健康を守るサポートにも期待
最近の研究では、シナモンが脳の健康にも良い影響を与える可能性があることが示されています。たとえば、アルツハイマー病やパーキンソン病の原因のひとつとされる炎症や酸化ストレスを減らす働きが、シナモンにあるとされています。
シナモンの成分が神経細胞を守り、脳の機能を保つ助けになるかもしれないという研究もあります。ただし、今のところは動物実験が中心で、人への影響は今後の研究を待つ必要があります。
セイロンシナモンとカシアシナモンの違い
シナモンには大きく分けて2つの種類があります。「セイロンシナモン」と「カシアシナモン」です。見た目はよく似ていますが、成分に大きな違いがあります。
カシアシナモンには「クマリン」という成分が多く含まれており、大量に摂取すると肝臓に悪影響を与えるおそれがあります。一方、セイロンシナモンにはクマリンがほとんど含まれておらず、比較的安全です。
日常的にシナモンを使う場合は、クマリンの少ないセイロンシナモンを選ぶことが推奨されます。商品を買うときは、ラベルをよく確認するようにしましょう。

安全な摂取量と注意点
シナモンをふだんの料理に少し加える程度なら、特に問題はありません。ただし、サプリメントや粉末を毎日たくさん摂るような場合には注意が必要です。
カシアシナモンの場合は、1日1〜2g以内に抑えるのがよいとされています。体重が軽い人や子どもでは、それ以下にとどめるようにしましょう。
また、妊娠中や授乳中の方、持病があって薬を服用している方は、シナモンを多く摂る前に医師に相談するのが安心です。
おわりに:シナモンを上手に活用しよう
シナモンは、おいしい香りと味わいだけでなく、私たちの体にたくさんの良い影響を与えてくれるスパイスです。血糖値のサポート、抗酸化作用、血流改善、さらには脳や神経の健康まで、多くの可能性を秘めています。
とはいえ、どんなに体に良い成分でも、摂りすぎは禁物です。とくにクマリンを多く含むカシアシナモンは、量に気をつける必要があります。
日常生活に取り入れるなら、セイロンシナモンを選び、食事や飲み物に少しずつ加えていくのがおすすめです。無理なく続けながら、体調や自分の体に合った使い方を見つけてみてください。
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